経験 VS. 学歴??

「若者の格差社会をどうすればなくせるか?」というお題に対して,平原依分氏が「企業が学歴を見ずに経験を見て採用すればよい」という意味の事を言い,その意見に対して,成田氏ともう一人(多分顔の知れた人だけど名前は知らない)が「履歴書に書ける経験は,親の収入にモロに左右されるので却って格差を広げてしまう」と反論している.
現実問題としては成田氏が正しいと思った.ただし平原さんに賛成する気持ちが5%くらいあった.5%は,彼女が「育児などの日常も学びにつながる経験だ」と言っていた点から来ている.私はこれでも大学教員をしているので,アピールしやすく就職活動に有利な経験を,なるべく低年次から積み重ねるよう学生に言わざるを得ない(企業はすでに経験重視である).しかし,どうしてもわざとらしさが付きまとう.同じ経験でも,そこから何を学ぶかは感受性に掛かっている.だから見栄えのしない経験しかなくても素晴らしいポテンシャルを持っている可能性は十分にある.日常の経験をヒアリングすることから本人の資質を見抜くことができれば,とても素晴らしいと思う.無論,極めて難しいことなわけで,平原さんは,そういう方法論の明確になっていない領域での遠大な話をしているのかもしれない,と期待したのだ.
 
ところが,平原さんのプロフィールを見てみたところ,
??となったのである.彼女の行動力はすごい.しかし,どう見ても親ガチャ大当たりだ.容姿にもコミュニケーション能力にも恵まれず,私立の進学校に行けなくても,頭さえよければ,東大に入る可能性はそれなりにある.そういう人のことをわかって言っているのだろうか?
 
学歴重視は,金がかかる上に親の多大な理解を要求する経験重視よりもはるかにましだ,ととりあえず結論付けておく.
 
尻切れトンボですが,今回はここまで.