ご入学

入学式があった.ひとまずおめでとうございます,と申し上げます.

 

ところで,入試に受かることの意味を少し考えてみた.あくまで個人的な考えで,法律に明記されたことではない.それに,書こうとしてナンだが,完全に納得しているわけでもない.でも,敢えて書いてみる.

次の二つの意味が含まれる気がする.

(1)我が校で勉強する能力があると認める

(2)我が校で勉強する権利を与える

(1)-->(2)という流れではあるんだけど,それぞれ独立した意味もあって突き詰めると2つは全然違ってくる.

多分,日本では(1)の意味合いが強い.だから,「どの大学に入学したか?」へのこだわりが,「学位を持っているか?」よりも強いのだ.そして,まじめに考えれば考えるほど,「入学させた以上,卒業させることが大学の責任だ」という考えに行きつく.なぜなら,能力を大学が認めたのだから.

どうしようもない学生を放っておくことは大学の責任放棄となり,不合格を出しすぎた教員は,お叱りを受ける.近年では特に,成績不振学生と保護者を交えて面談をするとか(ほとんど効果はない),落ちた人向けの授業をする(人によっては何とか合格してくれる)などの努力を「教員が」する.

(2)の方向で考えていくと,例えば,東大が,貧困家庭の生徒について合格基準を下げるなどの措置もあり得る.チャンスをやるからここで頑張って社会的に成功してくれ,ということだ.努力は「学生が」する.だが,今の世間の雰囲気ではあり得ないだろう.