バーチャル安楽死

バーチャルリアリティ技術が発展する先には,人間の感覚をもっと直接に刺激する・・例えば脳を刺激して本当に別の世界に居るような感覚を人為的に引き起こすことが可能になるに違いない.

 

これは,死期の近い人への緩和ケアに威力を発揮するだろう.しかし,本当に死が近く意識の力も弱まっている状態で,バーチャルリアリティの世界を延々と見せられたら,当事者にとっては,生と死の境目が重要ではなくなってくるんじゃないだろうか.

 

そうなってくると,「緩和ケア」と人為的な「安楽死」との間の境目もあいまいになってくる.今のところ,多くの人はそのようなことに倫理的な問題を感じそうだ.しかし,高齢者比率がどんどんと高くなっていくと,なし崩し的に,安楽死することにもさせることにも抵抗がなくなっていくだろう.まさに,団塊ジュニアである著者が後期高齢者になるころには.