ラーメンと餃子

週に一度の楽しみで,商店街のはずれの王将で餃子を食べた.この店の人には悪いが,ちょうど良いくらいの場末感が落ち着くのだ.餃子はもちろん美味い.
 
ところで,外で餃子かラーメンを食べる時,同じ事を思い出している事に最近気付いた.
 
15年くらい前,同じ部署の先輩と出張に出た帰りだった.その辺りで評判のラーメン屋が目についたので「食べていきませんか?」と提案したところ,予想以上に喜んで激しく同意してくれたという事があった.二人ともラーメンと餃子を注文し,2品とも同時に出てきたのだが,彼は餃子には目もくれず,最初にラーメンを平らげて,「やっぱり,ラーメンは出来立てを楽しまなくちゃ」みたいな事を言っていた・・・という場面である.
 
割合,口うるさい人で,私への批判も何かと多かったので,嫌われているんじゃないか,と気にしていた節があった.こちらの提案を随分喜んでくれたのは,そういう背景があったからに違いない.一方,当時の私としても,なかば無意識に度量を示そうとした気もする.
 
二人の関係は,そんな事でまあうまく行っていたが,その後,人事的にちょっとひどい事をされ,私がその会社を去る遠因になった.尤も,それが「ひどい事」だとは彼は知らなかっただろう.